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2023.10.03

介護現場の入浴介助をスムース゛に進めるための手順とコツ・注意点

介護業務の基本のひとつである入浴介助は、ご利用者の日常生活を守る上で非常に重要な業務です。入浴の目的は身体の清潔保持や感染症予防だけでなく、リラックスの効果もあります。ただし、入浴介助は転倒や容態急変などのリスクと隣り合わせです。入浴介助のポイントを押さえておくことで安全に進めることができるでしょう。
ここでは、入浴介助をスムーズに進めるための手順とコツや注意点についてご紹介します。実際に現場で介助をしている人、介護の業務とはどういったものなのか知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

介護現場の入浴介助をスムーズに進めるために重要なお湯の温度

シャワーのお湯の温度は、最初は必ず40℃に設定しましょう。「もっと熱いお湯がいい」という方もいらっしゃいますが、最初から熱いお湯をかけてしまうと、皮膚への影響だけでなく血圧の急な上昇により体調が急変する可能性があります。初めは40℃に設定し、手や足にお湯をかけ「お湯熱くないですか?温度のご希望はありますか?」と一緒に確認してください。
また、温度を上げる際は、必ず職員も一緒にお湯の温度を確認しましょう。温度調整を行うと急に熱くなったり冷たくなったりする可能性があります。シャワーのお湯が出る部分に指をかけておいて、すぐに温度変化に気付くことが大切です。

介護の入浴介助中に起こりやすい事故のリスクとは?

介護の入浴介助では様々な事故発生のリスクがあります。身体機能の低下だけではなく、温度変化に伴う体調の急変にも注意しなければなりません。主に、入浴介助で起こりやすい事故を3つご紹介します。

転倒事故

脱衣所や浴室の床は滑りやすく、立位や歩行の不安定なご利用者が転倒してしまう危険性が高くなります。床に洗剤の泡やぬめりが残っていないか確認してください。さらに、入浴介助中に職員が必ず見守りができるよう、物品や軟膏等を準備しておくことが重要です。

ヒートショック

部屋と脱衣所や浴室との温度差が原因で、急な血圧変化が起こり一過性の意識障害が起こる、いわゆるヒートショックの事故にも注意が必要です。特に冬場に起こりやすく、部屋と浴室の温度差をできるかぎり少なくするようにしましょう。

脱水

入浴中でも汗をかいているため、脱水に気をつけなければいけません。肌が濡れているため汗がわかりづらく、口渇感を感じづらくなります。入浴前後にコップ1杯の水分を摂取してもらうようにしてください。

入浴介助の洗体時に注意すべきこと

入浴介助の洗体時に注意すべきことは、皮膚トラブルとプライバシーへの配慮です。
高齢者の肌は薄く傷ができやすいため、強くこすってしまうと赤みやアザができてしまったり、皮膚が剝がれてしまったり(表皮剥離)する危険性もあります。洗体を行う時は力を入れずにやさしく洗いましょう。洗体タオルも、軟らかい素材を使うなどの物品の選定にも配慮してください。
また、プライバシーの配慮も必要です。デリケートな部分については、極力ご自身で洗っていただけるよう配慮してください。難しければ「今から洗いますね」と適切な声かけを行います。陰部をタオルで隠す等の配慮を行えると良いでしょう。

今回のまとめ

入浴は清潔保持だけでなくリラックス効果もあり、入浴を楽しみにしているご利用者は少なくありません。手順やコツ、注意点を理解しておくことで安全かつ安心できる入浴ができます。
入浴介助の業務は介護職員も身体的な負担が大きい業務です。特に夏場はご利用者だけではなく、介護職員もしっかりと水分を取るようにしましょう。